伝説のバンド・Queenのデビューアルバム『Queen(戦慄の王女)』レビュー





どうも、碧依(@an_88star88)です。

今日は、私が大好きな伝説のバンド・Queen(クイーン)のデビューアルバム『Queen(戦慄の王女)』の全曲レビューを書いてみたいと思います。
このアルバムはクイーンの歴史の中でも、発売当時は批評家たちからかなり酷評されたアルバムであったようです。
しかし、私、このアルバムそんなに嫌いじゃなくて、むしろ好きな部類なんです。

まあ確かに、言い方が悪いですが、ちょっと仰々しい感じも見受けられなくはないです(^_^;)
その大げさな感じが当時のクイーンには合っていて、曲単位で見ていけば、当時メンバーが全員20代前半だったことを踏まえてもとてもレベルの高い作品の集合体といった感想を持ちます。

クイーンYouTube公式チャンネル『Queen(戦慄の王女)』再生リスト



『Queen(戦慄の王女)』について

1973年に発表された、Queenのデビューアルバム。
有名な「伝説のチャンピオン」や「ウィー・ウィル・ロック・ユー」等と比べると、
曲調変化の激しいドラマチックな感じがする曲が多いですね。

デビュー直後のクイーンはグラムロックの影響が大きく、
ステージでも華美なメイクや衣装をまとっていました。
また、本アルバムはそのルックスに見合う音楽性であったと思います。

この頃のフレディはまだ声が細く、
後年の力強く歌い上げる歌い方ではありません。
(あの歌い方は、そもそも後年のルックスの変化に合わせるために歌唱法を変えたと、本か何かで見た気がします。)


それでは、各曲ごとのレビューを述べていくことにしましょう。


Keep Yourself Alive

作詞・作曲:ブライアン・メイ。

クイーンのデビューアルバム一曲目を飾る曲であり、クイーンの記念すべきシングル第一作目。

一瞬ですが、フレディ以外の歌えるメンバー2人(ブライアンとロジャー)が歌唱している場面があります。
ギターは左右のチャンネルを使い分けていますね(主に左が低音弦でのリフ、右がリードギター)。

クイーンの音楽といえば、4人全員が独特で、それでいて互いが絶妙にマッチするのが特徴だと思っているのですが、
デビュー曲であるこの曲からすでに、クイーンサウンドの核となる部分が強く感じられます。
ブライアンのレッドスペシャルによる濃厚なギターの音色、ジョンの力強くポップな印象のフィンガーベース、そしてロジャーの時折タムがモタるドラム(ロジャーはタムがモタってもそれが味になるから不思議)。
ボーカルのフレディはもちろん、楽器隊3人もかなり強い特徴を持っていますが、一つの演奏になった時にそれが化学反応を起こしたかのように絶妙に混ざり合うのです。

特にこの曲は、ブライアンのギターが左右のチャンネルで縦横無尽に絡み合っていて好きですね。


Doing All Right

作詞・作曲:ブライアン・メイ、ティム・スタッフェル。

曲のほとんどはバラードで曲の終盤はロックと、前半と後半で大きく曲調が変化する曲。
バラード部分の中でも、曲調が変わる箇所があります。
結構複雑な曲構成ですね(^_^;)

この曲はクイーンの前身バンドである「スマイル」時代の作品で、ブライアンと、ともに「スマイル」のメンバーであったティム・スタッフェルの共作です。

冒頭から歌われるバラード、1:23からのアコースティックギターが主導するミドル、
そしてエレキギターで豪快かつ爆音で奏でられるロック部分。大まかに分けてこの3パートで構成されます。

まったく異なる曲調を組み合わせる手法は、作者こそ違えど、後年世界を驚愕と熱狂に導くことになる「Bohemian Rhapsody」に通ずるものがありますね(「Bohemian Rhapsody」はフレディ作)。


Great King Rat

作詞・作曲:フレディ・マーキュリー。

始まりのエレキギターから不穏な感じしかしないこの曲(笑)。

フレディのまくし立てるようなボーカルがその不穏な感じをあおってきます。
ロジャーのドラムスも重たい音で良い感じですね。

この曲では珍しく、ブライアンがワウ・ペダルを使用しています。
(クイーンの他の曲でワウ・ペダルを使っている印象があまりないのでこういう表記をした)

途中(3:45~)で入るアコースティックギターのアルペジオがドラマ性を引き立てている感じ。


My Fairy King

作詞・作曲:フレディ・マーキュリー。

これまた曲調変化が激しく、「Bohemian Rhapsody」の片鱗が見える一曲です。
本アルバムの大半の曲に言えることですが、とにかく曲調変化が多いし激しい。
そうした部分が時代を先取りしすぎていて、批評家たちから叩かれたというか、理解されなかった要因でもあるかもしれませんね。

フレディのタッチの強いピアノがぐいぐい引っ張っていってくれます。
後年ブライアンがフレディのタッチをまねてピアノを弾いている曲(「It's A Beautiful Day」がそうだと言われています)がありますが、
そのくらい彼のピアノの音色は独特な感じがします。

それにしても、最初と最後だけ聴いたら、ほんと全然違う曲みたい(^_^;)


Liar

作詞・作曲:フレディ・マーキュリー。

「Keep Yourself Alive」と並び、本アルバムよりシングルカットされた曲。
1985年にウェンブリースタジアムで行われたコンサートで、イントロ部分のみ曲間のつなぎとして演奏されていました。
ロジャーが高音で「Liar!」と叫ぶコーラスが印象的です。

こちらもドラマチックな展開で、アルバムを代表する一曲としてオフィシャルビデオが制作されました。
4:59あたりからどんどんボルテージを上げていく演奏は必聴!

また、この時代の音楽としてはかなり尺が長い。
「Bohemian Rhapsody」が出た際には「ラジオで流すには曲が長すぎる問題」が勃発しましたが、この「Liar」も大概長いと思います(^_^;)
好きだけどね!


The Night Comes Down

作詞・作曲:ブライアン・メイ。

個人的に本アルバムの中で一番好きな曲です。
アコギを叩きつけるように弾くイントロから、美しい歌メロ、そしてだんだんテンポが早まっていくアウトロ。
そしてそのスピードが頂点に達した瞬間に、次の「Modern Times Rock'n'Roll」に繋がっていくという感じになってました。
(YouTubeの再生リストで見ると、読み込みや広告でそのスピード感は失われてしまいます・・・)

ロジャーのドラムの特徴として、
スネアドラムを叩く瞬間にハイハットをほんの少しだけ開いてスネアを強調するというものがあります。
この曲ではそれが顕著に聴こえるんですよね。

何年も前にロジャー自身がスネアとハイハットについて解説した動画を観たのですが、
ハイハットは髪の毛一本分の隙間を開けるだけでも音が変わってくるということでした。
髪の毛一本分って、下手したらもう「何ミリ」とかじゃなくて「何ナノメートル」とかの世界でしょ?
その微妙な音の違いを使い分けてしまうんだから、素晴らしいという言葉では足りないくらいのこだわりを感じますね。

たしかにライブの映像を見ても、ガバッとフルオープンにしているわけではなくて、
本当に一瞬ペダルに置いた足を浮かせるくらいの感覚でハイハットを開いているようです。

(曲のレビューというより、ロジャーのドラムの解説みたいになっちゃった^_^;)


Modern Times Rock'n'Roll

作詞・作曲:ロジャー・テイラー。

クイーン随一のロックシンガーであるロジャーのボーカルが炸裂する、疾走感あふれる一曲。

ギターソロではブライアンお得意のディレイ(音が遅れて鳴るエフェクト)が使われています。
ディレイは本来音に奥行きを持たせる役割を持つエフェクトで、通常はあまり大きく掛けないのですが、ブライアンのディレイの使い方はひと味もふた味も違います。

ブライアンのディレイは一定の拍数分遅れて鳴るようにエフェクトを掛けて、
自分が弾いているフレーズの上にディレイをかぶせてハーモニーにしてしまうというもの。
言葉だとわかりにくいので、アルバムとは関係ないのですが下の動画を見るとディレイの感覚がよくわかってもらえると思います。
(3:25~4:30あたりがディレイを使ったギターソロ。左チャンネルが実際に弾いた音で、右チャンネルがディレイ。)


この曲はアルバム違いなので、今は3:25~4:30だけ見てください(笑)。


Son and Daughter

作詞・作曲:ブライアン・メイ。

ものすごく正直なところ、この曲はあまり回数を聴いていない(^_^;)←コラ
あまり個人的に好みの曲ではない、というのが正直なところでして。。

イントロや間奏で時折入るギターとベースのユニゾンによるフレーズが印象的。
ロジャーの高音コーラスも効果的に使われています。

2:45あたりからだんだんテンポが上がっていき、今度はそのままフェードアウトしていきます。

(説明短っ!)


Jesus

作詞・作曲:フレディ・マーキュリー。

またド直球なタイトル・・・(^_^;)
マイナーコードで奏でられる重厚なイントロから引き込まれる曲。
途中で転調を挟み、間奏ではリバーブが大々的に使用されたことでドラマチックな雰囲気を増しています。

曲名の通り、キリスト教・聖書を題材に作られた曲。
クイーンの楽曲の中でも、ここまで思い切って宗教に触れた曲も数少ないんじゃないかな。

ある意味、初期の音楽性・フレディの声だったからできた曲だったかなと思います。
この頃のフレディの声は確かに後年に比べれば細いですが、
こうしたドラマ性のある曲やミステリアスな雰囲気の曲を歌うにはセクシーでハマりやすかったのかなと。


Seven Seas of Rhye(Instrumental)

作曲:フレディ・マーキュリー。

本アルバムの次作『QueenⅡ』に正式バージョンが収録された「Seven Seas of Rhye」。
『Queen』の段階では、インストゥルメンタルとしての収録になりました。

イントロのピアノが正式バージョンに比べてかなりゆっくりですね。
そこからだんだん速度が上がっていきます。
また、ピアノのオクターブも、正式バージョンと比べると低いです。

私自身ピアノがあまり得意でなくてギターなど弦楽器側の人間だったので、
ウェンブリースタジアムのコンサートで、フレディが右手一本でこの曲の超高速イントロを弾いたのを見た時はあっけにとられました。

「人間の指ってこんなに速く動くんかいな!」と(笑)。

あの衝撃は一生忘れないと思います(笑)。


まとめ

いかがだったでしょうか?

各曲の曲構成が複雑であるがゆえに、このアルバムがリリースされた当初は酷評されたと述べました。
しかし弱冠20~25歳の若者たちが初めて世に出した作品であることを考えれば、各曲の構成・演奏クオリティは申し分ないと思います。むしろすげぇ。
(本アルバムリリース時のメンバーの年齢⇒フレディ25歳、ブライアン24歳、ロジャー22歳、ジョン20歳)

逆に言えば、1970年代前半という時代に、この音楽性で作品を出したということ自体が革命的だったのではないでしょうか。
しかも、忘れそうになりますけどデビューアルバムですからね、これ。
私はその時代をリアルタイムでは知りませんが、もし自分がその時代を生きていたとしても「これは理解できなかっただろうな」と思いますもん。

人は基本的に自分が理解できないものに対して拒否反応を示します。
これはその人がどうのこうのではなく、もう人間に備わっている生理反応と言っても良いと思います。
だって、理解できないものにほいほい触りに行って危険な目に遭ったらヤバいでしょ?(笑)

それとおんなじで、あまりにも難解な曲のオンパレードだったから、世間は受け入れ難かったのではないかなと。
あんだけ目まぐるしく曲調が変わられたら、そりゃ聴いてる方もかなり体力(精神力?)消耗しますからね(^_^;)
ここにもし「Bohemian Rhapsody」が入っていたとしても、何の違和感もなさそうな気がします。

「The Night Comes Down」~「Modern Times Rock'n'Roll」のつなぎ目の高揚感を味わいたい人はアルバムもチェックしてみてくださいね。

関連商品:戦慄の王女 リミテッドエディション<限定盤>


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